今回はBUMP OF CHICKENの「Aurora」という曲を弾き語りしましたので、解釈をしていこうと思います。
歌詞の世界はどの様な内容になっているのでしょうか。
オーロラといえば、空のカーテンのようにゆらゆらと揺れる、見えるけど触れることのできないものです。
言い換えれば本当にあるのか分からない「不確かなもの」とも言えるでしょう。
「クレヨンで透明に」なんて不思議な言葉も出てきます、果たしてどういった意味があるのでしょうか。
歌詞解釈 自分を作り出す魔法
もうきっと多分大丈夫
どこが痛いか分かったからね
自分で涙拾えたら いつか魔法に変えられる
「もうきっと多分大丈夫」というフレーズ、大丈夫と言っているけど少し不安のあるような不確かなニュアンス。
自分が今、涙を流すような状況、苦しい状況を受け入れられたとしても完璧に大丈夫な時なんて無い、がそれでも良いんだよって言ってくれている優しい言葉。
心が痛いことは別に悪いことではない、誰にでもあるし、大事なことなんだ、と言ってくれています。
ただ「涙を拾えたら」涙を零すのではなく、受け止められたなら、自分の力になる「魔法」に変えていくことができるのです。
少しむずかしい表現ですが、今後、この意味が分かってきます。
ほんの少し忘れていたね
とても長かった ほんの少し
お日様がない時は
クレヨンで世界に創り出したでしょう
「お日様」というのはいつも自分を照らしてくれる存在。
幼い時は辛いことや悲しい事があったとしても、いつでも新しい希望を見つけることができた、何だって言葉にして、好き、嫌い、やりたい、やりたくないと言葉にできた。
しかし、大人になるにつれて色んな世界を経験し、自分だけではどうしようもない場所に立つこともあるでしょう。
次第に忘れていく自分の言葉。
誰にも見えないあなただけの思い
正義の味方には 見つけて貰えなかった類
探しに行かなくちゃ 呼び合い続けた あの声だよ
今抱えている思い悩んでいる事は他人からするとちっぽけなものかもしれない。
ヒーローが真っ先に飛び出して来てくれるような思いではないのかもしれない。
この思いを拾ってあげられるのは誰なんだろう、ずっと自分の中で叫び続けていて、応えてあげられるのは誰なんだろう。
溜め息にもなれなかった 名前さえ持たない思いが
心の一番奥の方 爪を立てて堪えていたんだ
触れて確かめられたら 形と音が分かるよ
伝えたい言葉はいつだって
そうやって見つけてきた
溜め息をつこうとも思えないほどの何と言えば良いのか分からない思い。
感情は直接見ることはできません。
ただ、声や言葉にして表に出すことでまた一つ感情として形を作ることができます。
名前のない不確かな思いは、表へ出し、向き合い、また自分の中で視認することで「確かな思い」へと繋がっていくのです。
あなたが信じた一歩はあなたへ繋がっている
振り返れば途切れずに 歪な線を描く足跡
悲しいくらい分かりやすく いつもここに向けて伸びる
大切にするのは下手でも 大切だって事は分かっている
せめてその白い手紙が 正しく届きますように
自分の思いに全て正直に生きていける人なんて多くはいません。
途切れることのない、様々な感情(喜びも悲しみも)が自分の背中にしっかりと着いてきているのが確認できたのでしょう。
どの感情も伝えることが大事なのは分かっている、伝える事が下手でも
「白い手紙」というのは自分が思う真っ直ぐな思い、嘘・偽りのない思いを表しているのだと思います。
その思いが自分の思った形として「自分へ」ちゃんと届くように、誤解されないようにと祈ってくれているのです。
考え過ぎじゃないよ そういう闇の中にいて
勇気の眼差しで 次の足場を探しているだけ
こんな誰にも相手にされないような思いで悩んでいるのは考えすぎだろうか。
しかし、この歌詞はその思いは君が一歩を踏み出すために必要な思いだと背中を押してくれています。
足跡がどれだけ歪であろうと、勇気を出してちっぽけと思われてしまう感情・自分にしか分からない思いを乗り越えていく君は素晴らしいんだと背中を押してくれています。
羽ばたいた言葉を受け取るのは
解き放て あなたの声で 光る羽根与えた思いを
その足が向かうべき先へ
そうしなきゃ見えなかった未来へ
諦めなかった事を 誰よりも知ってるのは
羽ばたいた言葉のひとつひとつ
必ず届きますように
抱えている不安や悲しみ、辛さや喜びもしかり、言葉という音にすることで、やっとひとつの形になって羽ばたいて相手に届くのです。
決して全ての思いを届かせながらここまで来たわけではない。
悩みながら、でも諦めずに歩いてきたのは歪な足跡がしっかりと物語ってくれています。
言葉を羽ばたかせてそれを受け取って前に進んできたのは誰でしょう。
紛れもなく自分自身です。
悩み苦しみを繰り返して本当の自分へ
もう一度 もう一度 クレヨンで 好きなように
もう一度 さあどうぞ 好きな色で 透明に
もう一度 もう一度 クレヨンで この世界に
今こそ さあどうぞ 魔法に変えられる
何度も何度も自分の思いを繰り返して、自分の世界に色を落としてきたのは他の誰でもなく自分自身です。
オーロラのように掴むことのできないそこにあるけど、不確かな思いを何度も何度も諦めず掴もうとしてきたのは「確かな」自分です。
諦めず涙を受け止めて進んできたあなたは自分を突き動かすための「魔法」をすでに扱うことができているのです。
ああ、なぜ、どうして、と繰り返して
それでも続けてきただろう
心の一番奥の方 涙は炎 向き合う時が来た
触れて確かめられたら 形と音をくれるよ
あなたの言葉がいつだって あなたを探してきた
そうやって見つけてきた
様々な思いを繰り返し、涙となった思いは「炎」になり、生きる糧となります。
BUMP OF CHICKENの歌詞の中で「炎」はよく情熱や自分を突き動かすもの、生きる希望のように扱われます、今回もきっとそうでしょう。
そうやってひとつひとつ言葉を紡ぎ出したあなたは、「あなた」という形になって自分を作って進んでいくのです。
オーロラのように不確かな思いは、諦めず乗り越えることであなた自身を作り上げる「確かな」ものへと繋がっていくのです。
あなたの形(価値)を見つけるのはいつだってあなた自身なのです。
最後に
さて、今回は「Aurora」の歌詞について書いていきました。
この曲のアレンジ自体もオーロラのように幻想的で揺れ動くような伴奏になっているのでBUMPは本当に歌詞と伴奏をマッチさせるのが天才的だなぁとしみじみ感じます。
歌詞の世界観を一番届けられるアレンジは何なのか。
この歌詞のように思いを伝えるということに関して常に真剣に向き合ってきた彼らだからこそ出来ることなのかもしれませんね。
お後がよろしいようで()
ではまた次回。
ino
魂込めて歌いました!:良ければお聞きください。
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