ギターをする人は「ギターは生き物」、なんて耳にしたことがあるのではないでしょうか?
これは間違いではなくて、ギターは木材で作られている事がほとんどだから、着々とコンディションは変化しているんだ。
空気中の湿気や微妙な空気の流れ、弦の振動、触れる人の抱え方や弾き方のクセ等など・・・
同じギターでも使う人によってその特徴は少しずつ変化していきます。
その中でもギターを弾く方には知っていてほしい、ギターのコンディションのために最低限、気を付けてほしいことを3つに絞って記録していこうと思います。
毎日、ギターを弾いてあげる
見出しを見て、「え?そんなこと?」って思ったかもしれません。
ギターにとって最高のメンテナンスはたくさん弾いてあげることです。
人間みたいに毎日、歌の練習をしている人は声が出しやすくなって、急に歌う場面になっても声が出ますが、長い間、大きな声で歌わないと思ったとおりの声って出ませんよね。
ギターも同様、ずっとほったらかしにしていると、ボディの中に埃が溜まったり、湿気の吸収や放出だけを繰り返して状態が悪くなります。
ギターの声とはしっかりと弦を鳴らしてあげて、ボディを振動させて上げること!
ボディを振動させることで木材の接着剤や部品、塗装などが徐々にギター全体に馴染んできて本来のギターの「鳴り」が現れて来るのです。
ギターのコンディションのためにというのもありますが、「本当の音のギター」を目指し、保つためにも毎日弾いてあげるとは必要ことなのです。
弦交換の際にメンテナンスを心がける
ギターの状態が悪くなりやすい場所の多くは弦が絡んでいるところが多くなってきます。
指板やネック、ペグ、ナットやブリッジ、フレット、弦の振動が多く触れるところによく問題が起こりやすいです。
これらの部分を弦を張ったまま触ろうとしても、指板やブリッジ、ナット、フレットは外さないとちゃんと触れませんよね。
ブリッジ付近もホコリが溜まりやすいですし、溜まったままにすると最悪の場合、汚れが取れなくなってボディの劣化に繋がってしまいます。
弦交換の際は最低でも以下のことには気をつけてギターを見ましょう⬇
各ペグの緩みや回しづらさはないか
ペグの先に付いているネジをドライバーで回して丁度いいと思う硬さに調整しましょう。
ここが緩かったり、きつすぎたりするとチューニングのバランスにも影響が出てきてしまします。
チューニングがキレイに合いにくくなると、せっかく上手く弾けたとしても結果的に台無しになってしまいます。
指板の汚れは無いか、保湿はできているか
指板があまりにも乾燥してしまうと最悪の場合、ひび割れを起こして、交換しなければいけなくなってしまうこともあります。
これは少し指板が白くなってきていて、乾燥気味の状態です。
こういったフレットクリーナーをギタークロスや柔らかい布の切れ端になじませ、力を入れず優しく拭いてあげます。⇨拭けたら何も付けていない乾拭き用のクロスなどで拭いて余分なクリーナー液を取って上げましょう。
そしてレモンオイルやオレンジオイルを指板に塗って保湿をしてあげましょう。
指板に塗るオイルでメジャーなのがレモンオイルとオレンジオイルになります。
レモンオイルはサラサラとしていて、クリーニング力、保湿力はめちゃめちゃ高いわけではないのですが、塗りやすく扱いやすいオイルです。
まめに弦交換をしてお手入れをするという方はレモンオイルがおすすめです。
個人的に使っているのがオレンジオイル。
レモンオイルより粘度が高く、クリーニング力も高い、保湿力も高くなっています。なので塗り過ぎは厳禁ですよ。
コーティング弦などを張って、何ヶ月も弦交換しないよって方はオレンジオイルを使ってしっかりクリーニングしてあげるのがおすすめです。
自分もコーティング弦を使用しているのでオレンジオイルを使用しています。
指板とフレットの両方を一気にお手入れできる「フレットバター」なんてものもあります。
ポリッシャーなどでボディの汚れを拭いてあげる
毎回拭いていても、すぐに埃が溜まってしまいます。
これを数回ほったらかしにしていると、、、ホコリまみれのくすんだギターに!!
手の脂やピックで掻いたちょっとしたキズ、早いうちに拭いてあげてきれいなギターを保って上げましょう。
塗装の違いによってポリッシャーの種類も分けるようにしましょう。
間違った液でクリーニングすると塗装が剥がれたり、キズになってしまうので注意しましょう。
万能のフォーミュラーポリッシュ。
ポリウレタンやラッカー塗装、サテンフィニッシュにも使用でき、油分を浮かせてピカピカにしてくれますので使い勝手が良いです、1本持っておいて間違いない。
このクリーナーの使い方も先程と似ています。
拭き取りのポイント
ホコリを綺麗に拭き取ります ⇨ ポリッシャーをクロスなどに染み込ませてから拭いてあげます ⇨ 乾拭き用のクロスで磨いてあげたら完成です。
エアコンなどの空調回り、水回りにギターを置かないこと
ギターは乾燥や湿気に非常に敏感です。
ポイント
ギターに良い湿度は40%〜50%くらいと言われています。
中々、この湿度で部屋を保てって言われても、難しいのでせめて、ギターを置く環境には配慮してあげましょう。
水回りに置く方はあまりいないと思いますが、エアコンが直接当たるところや空気清浄加湿器などの近くにおいてしまうのは避けましょう。
あと、意外と気にしない方が多いのですが、窓際の直射日光が当たるところも避けましょう。
すぐにギターが傷んでしまいます、日光の力って思っているより強力です。
日本は特にギターを保管するのには向いていない気候なのでハードケースに保管するときなどは湿度調整剤などを一緒に入れて置くのが良いでしょう。
これも一定期間で交換しないと意味がないので手間なのですが、本当にギターを大切にしたい方は長期保管時には湿度調整剤を使用するのもありでしょう。
ギターは生き物、最低限の環境は作ってあげよう
さて、今回は最低限のギターにやってほしいことを書いていきました。
メンテナンス道具は様々ありますが、有名で使用されている方も多い製品を紹介したのでどれも持っていて間違いないと思います。
湿度まで中々、気を配れないよ!!
って方はなるべくギターを弾いてあげて、弦交換の際にギターをピカピカにしてあげることは継続して行っていきましょう。
それがギターを良い音へと導いてくれる確かな一歩になるはずです。
ではまた!
イノ