アコギはエレキよりシンプルに見えて、意外と細かいパーツで出来ています。
アコギのメンテナンスを行ったり、自分で解説を調べたりする時に知らない名称が出てくると余計に手間が掛かってしまいます。
最初の内にパーツ名称にざっと目を通しておいて、何となくでも良いので頭に入れておくと、今後とても役に立ちますよ。
それでは、ギターの頭の部分から順番に役割などを解説していきましょう!!
ヘッド
「ギターヘッド」とも言いますが、これは案外ギターだけによく言われます(ベースの事はベースヘッドと言うのは少ない)
基本的にヘッドにはブランドのロゴが記載されていて、そこでどこのギターか判断することが多いですね。
ヘッドの形が一緒でも全く違うメーカーやブランドがあるので見ていると面白いです。
ヘッドにはギターの音程や弾き心地を左右する大事なパーツが組み込まれています。
それぞれ解説していきます!
ペグ
ギター弦を巻きつけるためのペグという部品が付いています。
上の画像のペグだと矢印先の白いネジを回してチューニング(調弦)を行います。
ペグの配置は左右に3つずつの3連ペグというのが最もポピュラーです。
⬆フェンダーのエレキギターなんかでよく見る形で6連ペグのアコギもあります。(対応する弦は画像の通りです。)
余談ですが、一般的なアコギだと弦が6本でペグも6個ありますが、変わった12弦ギターなんてモノもあります。(これだとペグは12個)
トラスロッド
画像のプラズネジを回してフタを開けると「トラスロッド」というネックに仕込まれている鉄の棒を回すナットが出てきます。
トラスロッドとは?
後ほど解説する「ネック」と言われる部分は基本的に木材なので環境の変化や弦の張力によって徐々に曲がってきてしまいます。
それを調整するために「トラスロッド」という鉄の棒が事前にギターには仕込まれています。
実際にカバーを外すと工具を使って回すことが出来るトラスロッドナットが出てきます。
ギターによってはヘッドにナットが付いておらず、サウンドホール側を覗くと六角レンチ等で回す穴があるものも一般的です⬇
トラスロッドの調整はかなり繊細なものになりますので、慣れない内はプロの修理屋さんに頼むことをおすすめします。
自分で行う場合はギターがどうなっても良いや!と思う覚悟でやりましょう。
ネック
ネックは演奏の際に弦を抑えたり、握ったりする部分になります。
こちらもギターを弾く上で弾き心地などに大きく関わってくる部位なので上から解説していきます!
ナット
先程のトラスロッドを回すネジもナットだったのですが、上の画像の弦が乗っている白いパーツも「ナット」と言います(ややこしいね)
樹脂や牛骨、象牙など様々な素材に弦を乗せる溝を掘って作られています。(素材によって音色が変わることもあります)
基本的にはこの溝は均等な幅で掘られているのですが、たまにお粗末なギターだと溝の間隔が違ったりして弾きづらいギターもあります。
ナットは交換も出来るので長年弾いて、溝が深くなったり、割れてしまったりしたら専門家に頼んで交換してもらいましょう。
フレット
ネックに何個も打ち込んである鉄の細い棒のこと。
このフレットでネックを区切り、抑える場所を変えることでギターの音程を生み出すことができます。
弦をフレットに押し付けて張力を変化させることでギターの音程が変わる仕組みになっています。
一番上のフレットで区切った場所から1フレット、2フレット、3フレット、、と名前が付いていてフレットの数字が1つ上がるごとに半音ずつ上がっていきます。
ちなみにフレットもギターをずっと弾いていると徐々に弦との摩擦で削れてきてしまいます。
相当な時間弾かないとフレットは削れませんが、もしそうなったら交換もできますのでお店などに相談してみましょう。
フィンガーボード(指板)
フレットとフレットの間に貼り付けてある木の板のこと。
アコギのフィンガーボードの木材にはローズウッドやエボニーなどが一般的ですが、どれが一番という素材はありません。
音色の違いは確かにありますが、たくさんギターを弾くようになってギターを弾き比べる機会があれば、色んな素材のギターを試してみると良いでしょう。
ポジションマーク
フィンガーボードに付いている○の印のこと。
その名の通り、フレットの位置が分かりやすいようにする目印になります。
ほとんどのギターは3,5,7,9,12,15フレットにポジションマークが入っています。(丸だったりそのメーカーによってデザインが違ったりします)
フィンガーボードの側面にもポジションマークが付いています。
弾いている人はほとんど真上からギターを覗くことになるので、フィンガーボード上のマークが結構見づらかったりします。
これを見ながらだと演奏をする時も安心です。
ピックガード
ギターを弾く際にピックや手からボディが傷付くのを守るパーツです。
形や大きさ、デザインは様々ですが、取り替え出来るので純正の新しいものに交換したり、あえて違うデザインに変えてオリジナリティのあるギターにすることも出来ます。
ギターを守るだけではなく、ギターの見た目を左右する大きなパーツになりますね。
サウンドホール
ギターの真ん中に空いている穴のこと。
サウンドホールの役割
アコースティックギターは弦を鳴らした振動をボディに伝えた後にこのサウンドホールを通して音を外に出すことで音を増幅して出すことができる仕組みになっています。
エレアコ(エレクトリックアコースティックギター)にはサウンドホールの縁にボリュームやトーンを調整するノブが付いていたりします。
ちなみにこのサウンドホールで音を増幅させているということは、ここを塞ぐと音量が小さくなります。
騒音対策としてここを塞ぐことも大きな効果あるので試してみると良いかもしれません。
ブリッジ
ペグからナットを通って最終的に弦を留めている土台がブリッジです。
ブリッジは弦の振動をボディに伝える重要な役目を持っています。
ブリッジもいくつかのパーツに分かれていて、それぞれとても重要なのでチェックしていきましょう!
ブリッジピン
弦を留めている小さいピンのこと。
ブリッジピンは樹脂や象牙、牛骨などなど素材は様々で音色の影響も様々です。
ナットに比べて、交換しやすいパーツなので違いを試したい方はピンの太さや長さに注意して購入してみると良いでしょう。
ちなみに外す時は弦を緩めて、サウンドホールから手を突っ込んで下からブリッジピンを押してあげると抜けやすくなります。
それでも抜けにくい時は⬇のようなピンを抜く道具と弦を切るニッパー、ペグを回すストリングスワインダーという物が一体になっている便利な道具もありますので1つ持っておくと良いでしょう。
サドル
ナットと一緒に弦を支え、張力を発生させている大事なパーツがサドルです。
このサドルもナットやブリッジピン同様、樹脂や牛骨、象牙やセラミックなど様々な素材がありますが、素材を交換して音色に変化が起こりやすいのがこのサドルでしょう。
ギター弦の振動はこのサドルを一番最初に通してボディへと伝わり、サウンドホールへと音が発せられます。
更にサドルの高さを調整することで弦高(フレットと弦の隙間のこと)を変更することが出来るので、少しの調整でギターの音量、音の伸び、音の硬さ柔らかさ、弾き心地が大きく変わってくるとても重要なパーツという事は覚えておきましょう。
ボディ
このボディで弦の振動を増幅して音が奏でられるので、ギターの中でも材質による音色が変わる大きく部分でもあります。
ギターのボディは表面の「トップ」材、側面の「サイド」材、背面の「バック」材の3つの木材を組み合わせて出来ています。
全て同じ種類の木材で出来ているギターもあれば、トップとサイド&バックの木材は違うギターも沢山あります。
画像の茶色のギターは全て「ローズウッド」という木材で出来ていますが、黒いギターはトップが「スプルース」という木材、サイドとバックが「マホガニー」という木材の組み合わせで出来ていたりします。
エンドピン
ギターのお尻に付いているポッチンがエンドピンと言います。
立つ時にギターを肩から掛けるストラップを取り付けるパーツです。
画像はエレアコのエンドピンなのでアンプへ繋ぐためのジャックが合体していますが、ストラップも取り付けることができます。
反対のピンはネックの内側(ネックヒール)に付いていたり
付いていなければ、後付でヘッドに付けられる、連結ボタンとかストラップボタンというものがあります
まとめ:何となくで良いから覚えておこう
沢山知らないワードが出てきたと思いますが、一気に全部を覚えなくても大丈夫です。
今までの項目が少しでも目に入っていれば、今度思い出す時に楽になるので、この記事をブックマークなりして、忘れた時は見返すようにすると良いかもしれません。
いつもは目に入らないような小さなパーツでもとても重要な役割を持っている事が分かって貰えれば幸いです。
ではまた!
ino