カポタストはキーを変えるだけの単純なアイテムではないのです。
基本的な使い方は今言ったものですが、他にもコードを簡単にしたり、転調するために使ったり、使い方によってギターの魅力を大きく引き出せるものなのです。
アコギ弾き語りをする人にとっては大事な個性を出すアイテムなので、カポタストの基本的な事を知っていきましょう!
そもそもカポタストの役割とは?
カポタストとはペグを回してチューニングをせずとも、簡単にギターの移調が出来てしまうものです。
カラオケで言うキーを#したりするあれのことです。
低い歌でもカポタストを付けて高くできる
この曲なんか低くて歌いづらいな、、なんて時ありませんか?
そんな時にカポタストを1フレット、2フレット、3フレットと挟んであげることで半音ずつ(#)キーを上げることができます。
画像だと2フレットに付けているので半音の半音が上がって、1音上がっています。
女性が男性の歌を歌いたいけど、低すぎて歌えないって時はカポタストでキーを上げてあげれば原曲と同じコードの流れで歌いやすくできてしまいます。
コードを簡単にする
弾き語りをする方はよく「U-フレット」というギターコードのサイトを活用すると思います。
そこで好きな曲を検索するとたまに弾きづらいなと思うコードのがデフォルトで表示されている時はないでしょうか?
左上のカポのところに「カポなし」と表記されているのはレギュラーチューニング時の事です。
そこでこのカポのところをクリックして
Capo4という表記に合わせてみましょう。
※これは4フレットにカポタストを付けるという事です。
するとあら不思議、DとかEmとかGのよく見かけるコードの流れになりましたよね。
この様に一見、難しそうに見えたコードの流れでもカポタストを使うことで簡単に弾けるようになってしまうのです。
なぜF#のコードがDコードになったのか、簡単に言うとカポタストを付けて#していく毎に元々表記されていたコードから♭(半音下がった)コードが原曲キーに当てはまるようになります。
F#からDまで4つ(4カポなので)音名を下げていくと、F#→F(1カポ)→E(2カポ)→D#(3カポ)→D(4カポ)という風にコードが変わっていきます。
これを知っていれば、U-フレットが無くても時間は掛かりますが簡単なコードの流れを自力で探すことも可能です。
セーハ・バレーコードが簡単になる
コードで難しいと言われているFコード。
人差し指で1フレットを押さえるのが難しいですが、そこをカポタストで補ってあげれば、Eコードを抑えるだけで弾けてしまいます。
セーハやバレーコードと言われるものがたくさん出てくる曲ではより簡単に弾けることができるのもカポタストの力です。
カポタストの付け方と特徴
カポタストには沢山の種類があり、それぞれ付け方がありますが、今回は主に2種類と+αのカポタストの付け方について解説していきます。
クリップ(バネ)タイプ
クリップタイプのメリット
・片手で簡単に着脱がしやすい。
・ヘッドに挟んで置いておけるので置き場所に困らない。
・最もポピュラーでデザインや種類が豊富
クリップタイプのデメリット
・種類によっては挟む力が強くて片手で着脱しにくいものがある。
・挟む力が調整できないものが多い。
一番手軽なのがクリップタイプのカポタスト。
値段も手頃なものが多く、使い勝手の良いカポタストです。
⬆のKyser(カイザー)のカポタストなんかはとても有名なものですが、挟む力を調整できないので片手で挟むにはそこそこの握力が必要です。
着脱動画で使用しているのはクリップタイプなのですが、挟むバネの力を調整できるタイプなのでダダリオのPW-CP-09はおすすめです。
スクリュー(ネジ)タイプ
スクリュータイプのメリット
・着脱に力がほとんど要らない。
・挟む力をネジで調整できるので色んなギターに使いやすい。
・クリップよりスッキリとしたデザインが多く、目立ちにくい。
スクリュータイプのデメリット
・片手で着脱が難しい。
・若干重たいものが多い印象。
・ネジで固定するものだと開け閉めが面倒。
スクリュー(ネジ)タイプの特徴はなんと言っても着脱にほとんど力が必要ないところです。
子供さんでも女性の方でも軽い力で着脱できるので手が痛かったりのストレスが少ないと思います。
⬇のネジで毎回固定するものだと好みのテンションにできますが、結構手間なので始めは避けた方が良いです。
⬆の動画ではSHUBBのS-1というタイプを使用しています。
シャブのカポタストは一度ネジで挟む力を調整してしまえば、後は指で軽く摘んで固定するだけなので簡単です。
シャブはチューニングの狂いもほとんどなく、スクリュータイプだと一番オススメのカポタストです。
その他:レバータイプ
最近プロの間でもよく使われているのがこのレバータイプ。
左下のレバーを軽く摘むとカポが開き、クリップの部分を握ると自動でネックに挟み込んでくれる仕様になっています。
一度握るとレバーを摘まない限りクリップ部分が開く事はありません。
挟む力を調整できるし、取り外しも簡単にできて、チューニングもかなり安定してくれる非常に優れものです。
欠点としては値段が高いのと、そこそこ重たいのでヘッド落ちの現象が起きたりしやすいので注意が必要です。
このG7THというカポだと大体4,500円〜5,000円くらいするので、非常に便利ですがカポにしては高いイメージです。
※ブラックよりシルバーの方が安い。
その他:ベルトタイプ
⬆のベルトタイプはネックに巻きつけて使うので、ネックとの噛み合わせとかを考えなくても良いカポタストです。
小さくて比較的安価なので地味に持っている人が多かったりします。
しかし、固定する力加減が難しかったり、チューニングの安定性が低いので、予備用として1つ持っておく程度で使用するのがベストだと思います。
その他:ローリングカポ
ローリングカポやグライダーカポと言われている、フレットの上をゴロゴロと転がして、瞬時にキーを変化させることのできるカポタストです。
上の動画の0:54辺りのサビ前で半音上げて、1;30辺りでまた元に戻しています。
元々エレキギターでパワーコードを抑えるような曲だったのですが、アコギでパワーコードのみだと音数が少なく寂しく感じてしまうので半音移調してパワーコード+1,2弦の開放も鳴らして音数を増やしています。
他にも最近のポップスだとラストのサビで半音上げて、盛り上げるなんて曲も増えてきているので、このカポを使えばラスサビ前のコードフォームのまま楽に弾き続けることができます。
相当ゆっくりな曲だとクリップタイプでも付け替えることはできなくはないのですが、グライダーカポと比べると移調の速さは圧倒的に違いますので非常に便利です。
カポタストを付ける時の注意点
形や着脱方法は様々ですが、付ける位置には共通して気を付けましょう。
フレットからカポが離れていると弦がビビったりして音のばらつきが生まれたりするので、フレットの際で付けるようにしましょう。
その他カポについて知っておくと良いこと
カポを付けるとチューニングが狂う
いくら付けていない時にバッチリチューニングを合わせたとしても、カポを付けると若干チューニングはずれてしまいます。
以下3つのカポはレギュラーチューニングで1フレットに付けています。
SHUBBカポを付けた時
Kyserカポを付けた時
ダダリオカポを付けた時
機種によって狂う度合いは違いますが、完璧にチューニングが合うカポはないと思っておきましょう。
カポを付けてたら、もう一度チューニングをしてチューナーの真ん中に合わせる事を心がけましょう。
カポを付けると音質が変わる?
これに関しては全てのギターにカポを試した訳ではないので、何とも言えませんが、
カポを付けると弦のテンションやスケールが変化するので、そのギターそのまま音質でキーだけ変えるというのはほぼ不可能だと思います。
ギターはカポを付ける前提の音では無く、そのままの状態で最大限の音質を求めるように作られているので、カポを付けるとサスティンは減るし、音は固くなるし、若干の違いは否めません。
自分が好きな音かどうか。
色んなカポタストを試してみて、納得のいく組み合わせを見つけるのもギターを弾く楽しみでもあります。
最後に:カポタストでギターの魅力を大幅向上
カポタストはアコギをする方には特に持っておいて欲しいアイテムの1つです。
同じ曲でもキーを半音変えるだけでも雰囲気がガラッと変わったり、ハイフレットでカポを付ければきらびやかに表現することもできます。
単純にキーを変えるだけではなく、演奏を楽にしたり、演奏の幅を広げるためにカポタストを使う方が多くいます。
使い方を勉強していけばコード進行の理解にも役立つので色々試して使ってみると自身の実力向上にグッと近づくのでカポタストはどんどん活用していきましょう。
アコギはシンプルだからこそ、奥が深いのです。
お役に立てれば幸いです。
ではまた!
ino