今回はタイトルが特徴的な「スノースマイル」の歌詞の意味を自分なりに解釈していくよ。
スノースマイルってどんな意味なんだ?
スノースマイル、直訳すると「雪の笑顔」ですが、それだけでは全く意味がわかりません。
歌詞は一見すると、男女のキュンキュンさせてくれるような恋愛の歌詞のよう。
作詞の藤原さんは「この曲は恋愛でも恋の歌詞でもない」と過去に言い切っております。
バンプの歌詞は聞く人にとって解釈が変わってくるから面白い。
では早速歌詞をなぞりながら、恋愛の歌詞では無いのか確かめてみましょう。
二人で歩く、主人公と誰か
冬が寒くって本当に良かった 君の冷えた左手を 僕の右ポケットにお招きする為の この上ない程の理由になるから
彼女に一回は言ってみたい言葉、「寒いの?手、繋ぐ?」
イケメンしか言ってはいけないのは分かってる、分かってる、、、
これだけ読むと憧れの恋愛の歌詞の出だしにしか見えません。。
「雪が降ればいい」と口を尖らせた 思い通りにはいかないさ 落ち葉を蹴飛ばすなよ 今にまた転ぶぞ 何で怒ってるのに 楽しそうなの?
イチャイチャ感は否めませんが、本当に恋愛の歌詞じゃないのでしょうか、嫉妬します。
雪はないのに、雪がある
まだキレイなままの 雪の絨毯に 二人で刻む 足跡の平行線 こんな夢物語 叶わなくたって 笑顔はこぼれてくる 雪のない道に
続いてサビの冒頭、手を繋いだ二人が雪の積もったまっさらな道を並んで歩きます。
さっき「雪が降ればいい」と嘆いていたのに雪の絨毯が目の前に現れています、ちょっと変ですね。
この雪の絨毯は単純な言葉ではなさそうです。
ここで「夢物語」というワードが出てきます。
夢物語、夢のように現実的ではない話、のまるまるの意味なのでしょうか。
この歌詞は藤原さんの恋愛妄想歌詞?、そんなわけないと思いますが、その意味は2番を読み進めていくとわかってきます。
歩くのにはコツが要る、君のいた景色は振り返る
二人で歩くには少しコツが要る 君の歩幅は狭い 出来るだけ時間をかけて 景色を見ておくよ 振り返る君の居る景色を
こんなこと書かれたら男女の歩く姿を想像してしまいますよね。
ただ再確認です、これは恋愛の歌詞ではないと書いた本人が言っているのです。
では、一体この二人はどんな関係なのでしょうか、そもそも、他人なのでしょうか?
一緒に歩いていたはずなのになぜか振り返って、君のいる景色を見る僕がいるのです。
ますます分からなくなってきましたね、お別れするような感覚もフツフツと感じます。
夢への物語
まだ乾いたままの 空のカーテンに 二人で鳴らす 足音のオーケストラ ほら夢物語 叶う前だって 笑顔は君がくれる そんなのわかってる
空のカーテン、澄み切った空気の中、空は曇っているのでしょうか?
少し不穏な空の中、二人の歩く足音はしっかりと響き、リズムやメロディーとなり、新しい世界を作っているようです。
ここで叶う前だってというフレーズが出てきますね。
夢物語が叶う前、本当に夢物語であれば叶わないはずですが、この夢物語はそのままの意味ではなさそうです。
笑顔は君がくれることは僕はわかってる、君が居たから笑えることができる、そんな風にも取れる気がします。
そして間奏開けに最後のサビです。
まだキレイなままの 雪の絨毯に 二人で刻む 足跡の平行線 そうさ夢物語 願わなくたって 笑顔は教えてくれた 僕の行く道を
一番と似た歌詞ですがここでは、「そうさ夢物語 願わなくたって 笑顔は教えてくれた 僕の行く道を」となっています。
藤原さんが単純な恋愛の歌詞で急に別れが来て、僕の生きる道を教えてくれた、なんて脈絡のないことを急に書くでしょうか?府に落ちません。
続いて気になるのが最後の歌詞
君と出会えて本当に良かった 同じが季節が巡る 僕の右ポケットにしまってた思い出は やっぱりしまって歩くよ 君の居ない道を
ここでポケットにしまっていた「思い出」というワードが出てきます。
ポケットに入れていたのは君の左手では?
これで思い出すのが同じアルバムに収録されている「ロストマン」の歌詞です。
ポイント
「ロストマン」は人生を(夢に向かって)生きる中で色んな分かれ道があると思うのですが、その分かれ道を進んだそれぞれの自分(君と僕)がどんな道(選択)を進んだとしても最後は成功と言う名のゴールの先で再開を果たすはずだ、という夢の中を歩む人への歌だと僕は思っています。
バンプの歌詞の多くに自分ともう一人の自分が登場します。
この感じからすると「夢物語」とは「夢へと歩む道」の物語の途中、そんなニュアンスで取れないでしょうか?
夢を叶えるためには沢山苦しいことや辛いことを経験しないといけないでしょう。
しかし、その経験があるからこそ、乗り越える力がつき、さらに大きな自分へと進化し夢へと進んでいけるのではないでしょうか?
歌詞を最初から再確認して全て繋がる
冒頭の「冬が寒くって〜理由になるから」の部分は大変な経験をして良かった、自分が成長するための大きな力になるからといった風にも変換できます。
「雪が降ればいい」と〜楽しいそうなの?」の部分は人生なかなか思い通りにはいかないけど、苦労や悔しさをバネにして進んだ先に楽しい人生が待っている、そんなことを暗示しているのです。
「まだキレイなままの〜雪の無い道に」
夢を追いかけるとはまっさらな雪の上に新しく足跡を自分の足で付けながら、確かめながら道を作っていくようなものです。
雪の絨毯とは目の前に広がる夢への道のことだと思います。
君(大変な思いをしている自分)と肩を並べて歩いていけばきっと夢に近づける、でもその自分はいつか苦難を乗り越え、消えてしまいます。
苦しいけど夢に向かって笑顔を絶やさない自分は「思い出」となってしまうのです。
スノースマイル、雪のように溶けて消えてしまう笑顔
タイトルはそんな思いで付けられたのかなと僕は思っています。
2番からの歌詞もその解釈でいくと
「二人で歩くには〜振り返る君の居る景色を」「まだ乾いたままの〜そんなのわかってる」
やはり苦難を乗り越える自分と一緒に歩くのは難しい、一つ一つ踏み締めて歩く君は歩幅が狭いのです。
そんな自分が嫌になってくる時もあるし、時には自分を焚きつけてくれる時もあるでしょう。
だから、そんな自分をしっかりと目に焼き付けておくのです。これから先、苦難があっても君を見てきた僕だからどんな壁も乗り越えることができる。
ほらこれは夢への物語なのです。夢はまだ叶っていないけど笑顔になれる、君と居た僕だから、叶うと信じられるから。
「まだキレイままの〜僕の行く道を」
二人で歩いた真っ白な雪の絨毯に刻んだ足跡は消えるけど、一緒に歩んだ君も消えてしまうけど、もう夢を願わなくても君は教えてくれたのです。
苦難を乗り越えた先にある夢へと続く僕の行く道を
「君と出会えて本当に〜君の居ない道を」
君と出会えて本当に良かった、これはそのままの通りですかね、君が居たから僕は成長できた。
「同じ季節」とは多分また一つ大変な時期がやってきたのかもしれません。
でも君と居た時間が思い出として残っているから大丈夫。
それをしまって僕はまた歩き出すよ、君が居なくても夢への道を歩けるよ。
この曲は最後「君の居ない道を」という言葉を強調し、繰り返しています。
恐らく、苦労したあなたを思い出にしたあなたがしっかりと夢への道を歩んでいける、お別れしても大丈夫ということを伝えたいんだなと僕は感じています。
僕のスノースマイルの解釈はこんなところでしょうか。
聞く人によって沢山の解釈があると思いますが、僕の解釈も頭の片隅に置いて聴いていただけると嬉しいなと思います。
ではまた次回。
イノ