YouTubeにて今回はBUMP OF CHICKENの楽曲、「ロストマン」を弾き語りをしました。
あの壮大な曲をギター1本で歌うのは無理があるのですが、歌いたくなったので歌いました。
この曲は作詞をするまでに約9ヶ月を費やしたというのはBUMPファンでは有名な話。
タイトルを決めるためにも30曲分のタイトルを捨てて、ようやく到達したタイトルが「ロストマン」になったそうです。
それだけの時間とありとあらゆる言葉を使って紡ぎ出したこの曲の歌詞はどういった世界を生み出しているのでしょうか。
疑問点を上げながら、いつものように歌詞を見ていきたいと思います。
最後の方に一気に歌詞の意味が分かるようになっていますので、是非、最後までお付き合いください。
選択を繰り返す旅路
状況はどうだい 僕は僕に尋ねる
旅の始まりを 今も 思い出せるかい
主人公は旅をしているようです。
状況はどうだい、と自分自身?に声を掛けています。
冒頭から少し?が浮かぶような始まりですね、自分はここにいるのに尋ねています。
旅の始まりを思い出せないくらい辛く長い旅なのかもしれません。
選んできた道のりの 正しさを 祈った
旅の途中で色んな選択肢があってそれが本当に正しかったのか、主人公は選んだ道が正しいのかと自問自答します。
「正しさ」といえば、「願う」が来そうなところですが、ここでは「祈る」という言葉が出てきています。
色んな種類の 足音 耳にしたよ
沢山のソレが 重なって また離れて
旅をする中で通りすがる人、それとも一緒に旅をした仲間の足音でしょうか。
はたまた自分の足音か。
淋しさなら 忘れるさ 繰り返す事だろう
どんなふうに夜を過ごしても 昇る日は 同じ
「淋しさ」というフレーズが出てきていることから足音というのは自分の旅と関わった誰かのモノという解釈が正しいと思います。
出会ったり、別れたりして、どんな感情の時でも無情にも暖かい太陽は昇り、1日を繰り返します。
先の見えない旅で選択と出会いと別れを繰り返す
破り損なった 手作りの地図
辿った途中の 現在地
動かないコンパス 片手に乗せて
霞んだ目 凝らしている
君を失った この世界で 僕は何を求め続ける
迷子って気付いていたって 気付かないフリをした
地図は手作り、誰も見たことない旅路、頼みのコンパスも動かない。
必死で自分のいる位置を確認し、歩き続けています。
破り損なった、という言葉があるように一度何かを諦めようとした、ということでしょうか。
ここで「君を失った」というフレーズが出てくることから、確かに誰かと別れを告げていることが分かります。
そして、「迷子」という言葉。
ロストマンという言葉は造語だと思うのですが、そのままの意味だと失った人となりますかね。
英語のlostには他にも、失敗する、負ける、廃れた等の意味もあるようです。迷子、にも近い雰囲気はありそうですが、直訳だと結構遠いような気もします。
でも、旅をテーマにする曲だとするとどれも当てはまる気はしますね。
君を失ったから僕は迷子?君以外何を求めれば良いんだ、と思うほど愛おしい人だったのでしょうか?
僕はきっと進むべき道を迷っている、そう思っても気づかないフリをして歩き続ける主人公。
分かれた君は今、どうしているだろうか
状況はどうだい 居ない君に尋ねる
僕らの距離を 声は泳ぎきれるかい
1番の始まりと同じ、「状況はどうだい」と尋ねています。
しかし、今度は「君」に尋ねています。
最初は「僕」に尋ねていたのに別れてしまった「君」にです。
これから推測されるに「君」とは過去に今とは違う目標を追いかけた自分であったり、考えのことを意味していると思われます。
最初に僕の中に問い、別れたから君に問う。
あの時諦めて、違う道を歩んで来たけど、諦めなかったとした君は今どうしているのだろうか。
分かれてしまったのは無駄なことだったのだろうか。
「声は泳ぎきれるかい」、この声とはきっとこの歌のことを意味していると思います。
この歌を通して無駄ではなかったと僕と君をなんとか繋げようとしているのだと思います。
君に後悔を思うのではなく、違う道を胸を張って進む
忘れたのは 温もりさ 少しずつ冷えていった
どんなふうに夜を過ごしたら 思い出せるのかな
君だった時の僕は楽しかった、でも今は別の道(自分)を進もうとしている。
一人で進む道は寒い、心細い。
太陽は同じように昇るけど、あの時とは確かに違う、どんなふうに考え、日々を過ごしていたんだろう。過去の自分に思い、耽ります。
強く手を振って 君の背中に
サヨナラを 叫んだよ
そして現在地 夢の設計図
開く時は どんな顔
しかし、僕は君といた過去にしっかりと別れを告げる覚悟を決めます。
そして、今、立っている場所から手作りの地図を開くと「夢」への設計図へと変わります。
ここで「夢」というワードが出てきます。
この旅はきっと夢へと進む主人公の人生の話なのです。
夢を叶えるためには様々な選択と苦労が付き纏います、今の自分のままではどうしてもダメな時がやってくる、今はその時なのでしょう。
これが僕の望んだ世界だ そして今も歩き続ける
不器用な 旅路の果てに 正しさを祈りながら
新しい選択をすることで君(あの頃の僕)を失ってしまった。夢を叶えるために犠牲にした気持ち、本当にこの選択で良かったのだろうか、あの頃の僕は僕と別れたら夢に破れ、消えてしまっているのだろうか。
そんなことが頭に浮かびます。
思い出はあなたを動かす
時間はあの日から 止まったままなんだ
遠ざかって 消えた背中
あぁ ロストマン 気付いたろう
僕らが 丁寧に切り取った
その絵の 名前は 思い出
強く手を振って 君の背中に
サヨナラを 告げる現在地 動き出すコンパス
さぁ 行こうか ロストマン
人生とは選択の連続です。
あの頃は良かったとか、あの時もっとこうしていれば良かった、なんて思うことは皆さんもあるのではないでしょうか。
しかし、その選択を自分で決めてきたからこそ、今のあなたがあるのです。
分かれた君は無駄になっていない、僕と君は初めから同じゴールを目指して進んできたのです。
同じゴールとははたしてどこなのでしょうか?
君と僕は同じゴールでまた出会う
破り損なった 手作りの地図
シルシを付ける 現在地
ここが出発点 踏み出す足は
いつだって 始めの一歩
君を忘れたこの世界を 愛せた時は会いに行くよ
間違った 旅路の果てに
正しさを 祈りながら
再開を 祈りながら
僕と君の地図のゴールは決して変わらない。
あの頃の自分と進む道は違うけど、君がいたからこそ今の自分がこうやって前に進んでいける、それは「思い出」として僕の中に残っている。
君が選ばなかったこの世界を僕は歩んで行くけれど、君もまた僕とは違う人生を歩んでいるはずだ。
お互い自分の信じた道が正しいのだと「願う」のではなく「祈ろう」、誤った選択かもしれないけど。
願ってしまえば、その裏には間違いを認めてしまっている自分がきっと居るから。気付かないフリをして、祈りながら同じ地図を見ながら一緒に進もう。
間違った 旅路の果てに
この言葉は間(空間や世界線)の違う 旅路の果てにと捉えると、違う道を選んだ先にと捉えることが出来ると思います。
僕は祈っているのです、この世界で夢を叶え、自分の選択を愛せた時、その先に成功という名の同じゴールで君と会えることを。
あの時に君が選択は決して間違っていない、全て繋がって今の僕があるんだと聴いた人の人生全てを肯定してくれる曲になっていると僕は思います。
最後に;あなたの選択があなたの全て
さて、今回はロストマンの歌詞について書いていきました。
この曲はあなたの選択はあっているか、誤っているかは分からない、でも、きっと無駄ではない。
すべて正しい道へと導いてくれている自分の一部なんだと肯定してくれているような歌詞だと思います。
作者の藤原さんもこのロストマンを書き終えるために沢山の選択と苦労をして今があります。
ロストマンというタイトルに至るまで幾つの言葉を捨ててきたのか想像もつきません。
きっとそんな藤原さん自身もそこにいた自分を全くの無駄にはしたくなかったのでしょう。
作詞に9ヶ月もかかったこの曲のイメージですからその後のBUMPの曲にもそれに似たようなイメージの曲も沢山あります。
僕の解釈を頭の片隅置いて頂きながら、BUMPの曲を聞き直してみるとまた違った感覚で聞けて面白いかもしれません。
今回はこんなところで、以上です!
また次回!
イノ
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