アコギはほとんどの賃貸物件ではまともに演奏することが難しいのが悩みなんだ、、
アコギさながらのサウンド弾き心地にガンガン弾けて、でも生音が小さいギターがあると最強だよな。
周りの環境にも寄りますが、とても気を使うのは確かです。
そんなお悩みを解決する、ヤマハのサイレントギター。
その名の通り、生音が小さく、賃貸物件で通常のプレイングをしても迷惑にならないようにと作られたギターです。
実際に触ってみた感想やメリットデメリットも含めて記録していきますのでご参考ください。
まずは生音を聴き比べてみよう
機能や細かい事は置いといて、生音を聴き比べてみましょう。
通常のアコギ(Gibson J-45)とサイレントギターをフレーズ、マイク位置、ゲインを合わせて撮ってみましたので聴き比べてみましょう!
通常のアコギの生音
サイレントギターの生音
生音はアコギというよりかはエレキギターに近い感じだな。
明らかに始めの音のインパクトからして音が抑えられているし、むしろストロークやフィンガーノイズの方がよく聞こえてきます。
サイレントギターの騒音値は?計測してみた
スマホの騒音計測アプリでもどれくらいのdBが最大で出ているのか測定してみました。
本当の最大音量が録れるようにマイクから10㎝前くらいで計測しています、実際に聞こえる音はもう少し抑えめの計測になっていると思います。
最大音量が録れるように強めに弾いたり、弱く弾いたり強弱を付けて測定してみました。
通常のアコギ
重要なのは左のAVG(平均音量)と右にあるMAX(最大音量)の下にある数値です。
通常のアコギは平均80dB以上、最大90dB以上出ています。
サイレントギター
サイレントギターは平均66、最大で73dBの値でした。
騒音基準値との比較表
音の種類 | 平均 | 最大 |
犬の鳴き声(5m内) | 90 | ー |
アコギ | 82 | 93 |
掃除機の音、テレビの音(大きめ) | 70 | ー |
サイレントギター | 66 | 73 |
普通の会話、大きめの笑い声 | 60 | 75 |
小さい声、事務室 | 50 | ー |
マイクに近づけて計測しても、テレビや会話の間くらいの音量でサイレントギターは位置していますので、概ね普通の生活環境音として見ても良いと思います。
実際に隣でうちの奥さんに聞いてもらっても、「テレビの音の方が普通に大きいじゃん」という感想でした。
会話がめちゃくちゃ聞こえるくらいの薄い壁の賃貸じゃなければ、問題なさそうだね。
サイレントギターの概要
ヤマハ サイレントギターの特徴
・音量は通常のアコギの18%程度に抑えられている。(公式情報)
・希望小売価格は8万円ほど、実質小売価格は6〜7万円ほど。
・通常アコギよりコンパクトに畳めて、持ち運びが便利。
・ネックの太さや弦のテンション、弾き心地はアコギそのもの。
・エレアコなのでアンプに繋いだり、イヤホンから音が出せる。
・チューナーやエフェクト機能、細かな機能が充実している。
細かい良いところは他にもありますが、ざっくりと書くとこんな感じです。
カラーバリエーションが地味に豊富
ちなみに今回使用しているのはアコギタイプの「SLG200S」のカラーはタバコブラウンサンバーストという機種になります。
メモ
この他にもクラシックギターのネック幅が50mmタイプの「SLG200N」やクラシックギターのネック幅が52mmタイプの「SLG200NW」が発売されています。(Sはスチール弦、Nはナイロン弦、NWはナイロン弦のワイドの意味)
SLG200Sは現状カラーが4種類もあります。
ナチュラル(NT)
タバコブラウンサンバースト(TBS)
トランスルーセントブラック(TBL)
クリムゾンレッドバースト(CRB)
自然な木目調のものがあったり、渋いレッドカラーもあって好みによって購入できるのも地味にすごい。
普通は1機種にこんなにカラーは出ません、売れている証拠ですね。
コンパクトに持ち運べる
このギターは写真のように中身はスカスカの枠組みだけなので、枠が外せるようになっています。
着け外しは簡単。
ボディの上下に穴が空いているのでピン部分を差し込んで。
ネックヒール裏とエンドピンがネジになっているのでそれを軽く絞めるだけです。
サイズもOOOサイズのギターよりさらに少し小さいサイズ感。
取り外して付属の細長いケースに収納すれば、通常のアコギよりスリムに持ち運ぶことができます。
ナット幅は普通、弦高やテンションはやや高め
ナット幅は43mmとアコギで幅広く使用されている規格ですので、細いナローネックを今まで使っていた方以外は抵抗なく使える握り心地だと思います。
最初に設定されている弾き心地としては堅めの印象でした。
6弦の弦高だと2.7〜3mmくらいの高さです。
スケールは634mmとミディアムなものですが、ナットやサドルの弦高が高めかもしれません。
エレアコとしては機能が優秀
このギターにはシールドを刺すジャックが付いているので、アンプに繋いで大きい音を出すことも可能です。
アンプに繋がなくても、イヤホンやヘッドホンを繋ぐ事で本物さながらのアコギサウンドで練習することができるのも凄いところ。
ポイント
・電源のオンオフは1秒くらい長押し。
・チューナーはワンタップでオンオフ切り替え。
ピックアップの切り替え、ブレンドができる
真ん中のマイクシュミレーターブレンダーと書いているツマミでピエゾピックアップとマイクピックアップの切り替えやブレンドして調整が行えます。
このサウンドが自然すぎて驚き!
実際に音を聞いてみてください。
トレブル、ベースのノブは右に全振りしてます。
ピエゾに全振り
マイクに全振り
こ、これがエレアコ備え付けのピックアップサウンドだと?、ナチュラルすぎるぜ、、、
ピエゾの粒立った音もしっかり聞こえますが、嫌な電子音の感じも少なく非常に聞き心地の良いサウンドですよね。
マイクの方は音のレンジが広がって、箱なり感や煌びやかな印象がグッと高まっています。
ほんとにボディがスカスカのエレアコなの?っていうくらいサウンドが楽しめる作りになっていると思います、さすがヤマハ製品です。
おすすめのブレンド
・弾き語りやソロギターの演奏には12時より少しマイク寄り。
・バンドやセッションの時はピエゾ寄りに振ってあげると音が埋もれにくい。
リバーブとコーラスのエフェクトも付いている
1番右、エフェクトのツマミを回すことでリバーブを2種類、コーラス1種類のエフェクトを追加することができます。
ポイント
・REV1区間 ⇨ ルームリバーブの様に浅めの残響エフェクト。
・REV2区間 ⇨ ホールリバーブの様な深めの残響エフェクト。
・CHO区間 ⇨ 浅いコーラスから深めのコーラスまで幅広い。
実際の音を聞いてみましょう!
ブレンドは若干マイク寄り、エフェクトの区間はそれぞれ中間にしています。
ちなみに上でピエゾとマイクを比べた時はREV1の方に全振りしてました。
REV 1
REV2
CHO
どうでしょう、かなり自然で別売りのエフェクターと遜色ないクオリティですよね。
弾き語りやソロギターで使用する時はかなり重宝しそうです。
AUX端子付きで音楽を聞きながら演奏できる
ボリュームノブなどがある方とは裏側にAUX端子が付いているので、スマホや音楽プレイヤーから音楽を流しながらそれに合わせて演奏もできます。
地味ながら同じイヤホンから原曲と一緒に演奏が聞こえるって嬉しいし、練習も楽しむことができます。
AUX端子ケーブルはは付属していないので、別で用意しましょう。
最近のiPhoneだと3.5mmジャックが付いていないので、Lightning端子に変換できるアダプタを使いましょう。
ちなみに電源は単三電池×2本(付属)、もしくは別売りのACアダプタで駆動します。
サイレントギターのデメリットや練習する時の注意点
できるだけイヤホンやヘッドホンを繋いで練習すること
弾いていて1番に感じたのがこれ。
ポイント
生音が小さいのがこのギターの魅力ですが、その分実際に聞こえる情報量は通常のアコギと比べると全く違います。
生音だけで弾いていると自分ではちゃんとコードやフレーズを弾けていたと思っていたのに、音が小さい故にミスをした所を聞き逃す可能性が大いにあります。
サイレントギターを使用する時はなるべくイヤホンやヘッドフォンを繋いで、実際のアコギサウンドを聞きながら練習をした方が実際のアコギを使用する時とのギャップを抑えられるでしょう。
たまには実際のアコギでも練習する
いくらアコギと同じ様な感覚で弾けると言っても、ボディは空洞、サイズは小さく、厚みはほとんどありません。
なので、実際のアコギを抱える感覚とはまた違うし、右手を置いたり、支えるポイントも人によって違うと思います。
ずっとサイレントギターで練習していざ、本番の少し前にアコギで弾こうとしたら感覚が違って本来の演奏が出来なかった、なんて事が起きてしまっては大変。
弾き語りをする方は特に歌とギターの音量バランスやリズム、ストロークやピッキングのニュアンスの違いで大きく表現力が違ってきます。
サイレントギターは家で弾く分では非常に優れていますが、これ一本でアコギの全てを補えるというわけではありません。
アコギを弾けるタイミングがあれば率先してそちらで練習をしましょう!
耐久性が高いか、正直微妙なところ
見ての通り、枠組みだけでピックガードも真ん中のボディにネジで繋がっているだけなので後ろは支えられておらず、指で押すとミシミシ言います。
枠組みも抱えて体重を軽く乗せただけではビクともしませんが、何かの拍子に落としたり足で踏んだりするとポッキリ逝ってしまうかも、、、笑
保管場所や外へ持ち運ぶ際は少し注意が必要そうです。
別に安いギターではないが、、、
楽器屋さんで見ても、「ギター、ケース、イヤホン、電池」の通常セットで6万円前後。
Amazonや楽天などのネットショップだと少しお得で5万円台後半で買うこともできます。
が、決して安い買い物ではないと思います、6、7万円あればヤマハのクオリティの高いアコギが購入できますから。
ですが、マンションやアパートで思い切りではなくとも普通の力加減でアコギを練習できない方にとってはメリットが非常に大きいです。
僕もこれを使うまで、家ではアコギを指で撫でながら、音が大きくならない様にストロークの真似事をして練習をしていました。
正直これでは実際の弾き語りの感覚は掴みにくいし、コードなどを覚える練習くらいにしかなりませんでした。
だから、実際本番や動画を撮る時になるとストロークやピッキングのニュアンスが掴めず、結局また一から練習することになることも多かったです。
なるべく本番に近い感覚で練習することは楽器演奏だろうとスポーツだろうと仕事だろうと同じです。
僕はサイレントギターを使い始め、1ヶ月くらい経って、何も考えずに普通の力加減で弾いていますが、今のところ苦情の連絡は来ていません(最高)
サイレントギターまとめ:賃貸物件でまともにアコギの練習がしたいなら心からお勧めしたい
サイレントギターの良いところ
・生音はテレビの音や会話とほとんど変わらない。
・イヤホンを繋げば、本物さながらのアコギサウンドで練習できる。
・アンプにも繋げるのでスタジオや録音にも対応できる。
・プリアンプ搭載でエフェクトも追加でき、機能豊富。
・普通の弾き心地で普通の力加減で練習ができる(最重要)。
ちなみに余談ですが、今僕が住んでいるマンションに住み始めた初日、そこそこ防音性が高い部屋ということだったので、ためしにアコギを普通に弾いてみたところ
管理会社から「何かギターの様なものを演奏されていませんか?隣人の方からご指摘がありました。夜につれて音が響きやすくなりますので演奏をお控え願いますでしょうか?」
これは翌日のことです、速攻でクレーム行きです、本当にごめんなさい、、
危うく引っ越し初日から追い出されるところだったな。
それからなるべく優しくギターを弾く様になり、まともに練習できなくなりましたとさ、トホホ、、、
ギターを弾く人間として周りへの配慮は非常に大切です。
コロナも落ち着いては来ましたが、まだしばらくは外出自粛は続きそうなので騒音対策をサイレントギターでバッチリと行い、練習をしてみるのはいかがでしょうか?
ではまた次回!
イノ