2022年9月28日、BUMP OF CHICKENの「SOUVENIR」の配信がスタートしました。
アニメにコミックに大人気の「SPY×FAMILY」、アニメ第2期のOPに決定して期待の高まっている曲だな。
「SOUVENIR」の意味は歌詞にも出てきますが、お土産という意味。
加えて、忘れ形見、なんて意味もあるみたいです。
果たして、タイトルの意味と歌詞の内容がどのように絡んでくるのか、この曲はどんな事を伝えたいのか考察していこうと思います。
一つの歌詞解釈としてご参考ください。
見つける事がすごく簡単で難しい目印
恐らく気付いてしまったみたい あくびの色した毎日を 丸ごと映画の様に変える 種と仕掛けに出会えた事 仲良くなれない空の下 心はしまって鍵かけて そんな風にどうにか生きてきた メロディが重なった 小さくたっていい 街のどんな灯よりも ちゃんと見つけられる 目印が欲しかった
「なんで僕・私は今ここで生きているんだろう」
って凄く哲学的な入りですが、生まれてから、起きて、息を吸って、ご飯を食べて、学校行って、仕事をして、寝てとか色々繰り返して来たけど、何となくそういうもんだからそうしてきたって時間めちゃくちゃ多いと思います。
学校も職場も面倒な人はいるし、やりたくない事は知らない内に流れ込んでくるし人生って何でこんな面白くないんだろうって、僕も思ったりします。
ですが、視点を少しズラしてみましょう。
例えば「仕事をする」って何のためにしているんでしょう。
「生活費を稼ぐため」「生きていくためには仕方ないから」「いつ食いっぱぐれるか分からないから」
もちろん将来が不安だからこう思うのは当たり前のことです。
では、もう少し細かく日常に寄り添って応えてみましょう。
「大事な家族との時間を有意義にするため」「大好きなアイドルのコンサートに行くため」「好きなご飯をお腹いっぱい食べるため」「仲間と色んな所に旅行に行くため」
仕事をする理由は人それぞれですが、何となく目線をこっちにズラした方が人生楽しそうではないでしょうか?
面倒な事が多くて、大変な事に目が行きがちですが、人生を映画の様にワクワクに向かう方向に変える種と仕掛けはきっとこんな感じ。
それに気付いた瞬間、そんな人生を楽しむ、もう一人のあなたと重なる瞬間が生まれるのです。
帰ったら話したくなる、あったかい場所
この目が選んだ景色に ひとつずつリボンかけて お土産みたいに集めながら続くよ 帰り道 季節が挨拶くれたよ 涙もちょっと拾ったよ どこから話そう あなたに貰った この帰り道 歩いて歩いて 時々なんか急いで あなたに向かう道を 走って走って いやいややっぱ歩いて あなたに向かう道を
どんなに小さな理由でも良い、あなたが笑顔でいる理由があるのなら、それが全てなのです。
目印に気付いた瞬間、あなたは理想の場所へと向かうのです、きっと元々あなたの中にあった理想のあなたの場所に帰るのです。
きっと急には辿り着けない、だって今までそんな事考えなかったから。
歩いたり、ちょっと焦ってみたり、たまに泣いちゃう時もあるかもしれないけど、いつか笑って話せるお土産話みたいになるよう、楽しんで歩いていくのです。
帰るための目印はずっと転がってた
こうなるべくしてなったみたい 通り過ぎるばっかの毎日に そこにいた証拠を探した メロディが繋がった
俺の人生にそんな楽しい事、1ミリもねぇよって言う人もいるとは思いますが、本当でしょうか?
楽しいなって思った事一回もないですか?振り返ってみたらきっと何か出てくるはずです。
何となく毎日やっている事、昔挑戦したけど挫折してしまった事。
スポーツでも楽器でもゲームでも料理でも友達とのおしゃべりでも何でも良い、これ楽しい!って思える瞬間は1ミリくらいはあったはずです。
ただちょっと理由があって離れてしまっていただけ。
「そういえば昔これやってたな」「私、〇〇する事が好きだった」って忘れてた事を思い出せたら、あなたに向かう帰り道に繋がる証拠に繋がるのです。
そうしてくれたように 手を振って知らせるよ 迷わないでいいと 言ってくれたように どこからどんな旅をして 見つけ合う事が出来たの あなたの昨日も明日も知らないまま 帰り道 土砂降り 一体何回くぐって 笑ってくれたの 月より遠い世界から辿ってきた 帰り道 歩いて歩いて いつの間にか急いで あなたに向かう道を 走って走って 恥ずかしくなって歩いて あなたに向かう道を
気付かれないまま、好きな事を追い続けていた自分がどうなるか考えもしないまま、生きてしまっていた。
一体どれだけの時間、色んなしがらみのせいであなたは好きな事から目を逸らされてきたのでしょう。
視界の片隅にはきっと帰る場所への欠片は散らばって、必死にここだよって呼びかけてくれていたのでしょう。
それに気付けたあなたはこれからきっと迷う事はないでしょう。
だってあなたの歩いた道全て正解で帰り道に繋がる事になるのですから。
一度、目を逸らしたものを追いかけるのはちょっと恥ずかしさもあるかもしれません。
でも、そこが自分の居たい場所であれば、気付けば自然と急いで帰りたくなるのです。
いつか辿り着いた時、話したくなるお土産話にしよう
この目が選んだ景色に ひとつずつリボンかけて お土産みたいに集めながら続くよ 帰り道 季節が挨拶くれたよ 涙もまた拾っちゃったよ どこから話そう あなたに貰った この帰り道 どこからどんな旅をして 見つけ合う事が出来たの あなたの昨日と明日が空を飾る 帰り道 この目が選んだ景色に とびきりのリボンかけて 宇宙の果てからだろうと辿っていく 帰り道 歩いて歩いて 転んで平気なふりして あなたに向かう道を 走って走って 胸いっぱいで歩いて あなたに向かう道を
SOUVENIRというのは「忘れ形見」という意味があると最初に書きましたが、忘れ形見とは遠く離れてしまった過去の人を偲ぶための物のこと。
何となく生きていたあなたも、好きな事から目を逸らしていたあなたも、目印に気付いて歩き出したあなたも、その過去が無ければ今のあなたはないのですから大事な人ですよね。
種も仕掛けも知ったあなたの世界は全てかけがえのない、あなたを構成する思い出となります。
笑顔も涙も帰る場所への大事な過程であり、それがあるからこそ愛おしく大切になるのです。
後悔した事も沢山あっただろうけど、いつかあなたが帰る場所に辿り着いた時、選んだ人生に胸を張って「これで良かったんだ」と話してあげられるように、笑って話せるお土産話ができるように、生きていく事が大事なんだ、と伝えてくれているように解釈しています。
遠い先のあなたの昨日と明日がどんな風になっているか知らないけど、分かるのです。
どんなに暗い宇宙のような世界にいても、あなたが勇気を持ってした選択が星のような目印となり、迷う事なく帰るべき場所に連れて行ってくれる事を。